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【展覧会】国内美術館では約20年ぶりとなる神坂雪佳の《狗児》や《金魚玉図》など人気作品を含む約80点を展示した展覧会「つながる琳派スピリット 神坂雪佳」がパナソニック汐留美術館にて2022年12月18日まで開催中

NEW 【展覧会】国内美術館では約20年ぶりとなる神坂雪佳の《狗児》や《金魚玉図》など人気作品を含む約80点を展示した展覧会「つながる琳派スピリット 神坂雪佳」がパナソニック汐留美術館にて2022年12月18日まで開催中

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アート新情報では、日本全国で開催されているおすすめの展覧会やアートイベントをピックアップして、みどころや開催期間・会場・巡回展などの情報をまとめました。

国内美術館では約20年ぶりとなる神坂雪佳の《狗児》や《金魚玉図》など人気作品を含む約80点を展示した展覧会「つながる琳派スピリット 神坂雪佳」がパナソニック汐留美術館にて2022年10月29日(土)〜12月18日(日)まで開催中。本展のみどころや展示作品などをご紹介します。

※以下、画像と説明はプレスリリースから引用

「つながる琳派スピリット 神坂雪佳」概要

神坂雪佳(1866-1942)は、明治から昭和にかけ、京都を中心に活躍した図案家・画家です。

20世紀の幕開けと同時に、欧州で当時最先端の美術工芸を視察したことで、雪佳はあらためて日本古来の装飾芸術の素晴らしさを再認識し、「琳派」の研究に励みました。本展覧会は、「琳派」というテーマを通じて、多岐にわたる神坂雪佳の活動の真髄をひもときます。

「琳派」の起源は、江戸時代初期にさかのぼります。平安王朝の典雅な美に憧れ、その再興を目指した新しい芸術は、時を経て幕末から近現代にまで至る、世界的にも類まれな芸術の潮流となりました。

中でも、本阿弥光悦、俵屋宗達、尾形光琳と尾形乾山、さらに酒井抱一、鈴木其一といった日本美術の歴史を彩る芸術家たちの偉業はよく知られているでしょう。

そして明治時代の京都に登場した神坂雪佳は、琳派の芸術に強い関心を寄せ、その表現手法にとどまらず彼らの活動姿勢にも共感し、自ら実践していきました。そのあり方から「近代琳派・神坂雪佳」とも呼ばれています。

雪佳の創作活動の大きな特徴は、暮らしを彩るデザインを提供し、空間のトータルコーディネイトをした点にあります。実用性の高い図案集の出版から、工芸品の意匠(デザイン)、調度品の装飾、絵画制作まで、実に幅広く仕事をのこしました。

そして「光琳の再来」とも称される作風を築くとともに、京都産業界の振興、工芸界の活性化にも尽力しました。

本展覧会では、魅力的な琳派コレクションで知られ、神坂雪佳にも早くから注目し顕彰してきた京都・細見美術館の監修のもと、雪佳の代表的作品に加え、雪佳が手本とした琳派の美をうかがわせる本阿弥光悦、尾形光琳らの名品をあわせて、絵画・図案集・工芸品など約80点を展覧します(会期中、一部展示替えをします)。

古典と近代的発想を融合させ、美術と意匠の二つの分野を自在に往来した「近代琳派・神坂雪佳」の多彩な世界をお楽しみいただきます。

展覧会のみどころ

01. 絵画・工芸・意匠デザイン集まで・・・
“近代のマルチアーティスト”神坂雪佳の多彩な世界

神坂雪佳(1866-1942)は、明治~昭和期に活躍した京都の図案家・画家。装飾芸術「琳派」を手本に、暮らしを彩るデザインを生み出したマルチアーティストです。20世紀初頭、押し寄せる西洋化の時代に、日本古来の装飾美に着目した創作活動にご注目ください。

02. 細見美術館の琳派コレクションから、雪佳の代表作まで、一堂に

珠玉の琳派コレクションで知られる京都・細見美術館監修のもと、歴代琳派の優品から、“近代琳派”の名にふさわしい神坂雪佳の代表作まで、《狗児くじ》や《金魚玉図》など人気作品を含む約80点により、雪佳の創作を一望します。

03. 国内美術館では約20年ぶりとなる、待望の「神坂雪佳」展!

美術館の特別企画展としては、2003年「神坂雪佳―琳派の継承・近代デザインの先駆者」展(京都国立近代美術館ほか海外巡回)以来の本格的な展覧会です。特に本展は、東京の美術館でまとまって雪佳作品に触れられる大変貴重な機会となります。

“光琳の再来”神坂かみさか雪佳せっかとは?

神坂雪佳

神坂雪佳(1866-1942)

神坂雪佳は1866(慶応2)年、京都の禁裏御用きんりごよう武士の長男として生まれました(本名、吉隆)。1881(明治14)年、四条派の日本画家・鈴木瑞彦すずきずいげんに師事、20代半ばの時に帝室技芸員のきし光景こうけいのもとで工芸図案を学び、1890(明治23)年には初めての図案集『別好京染べつごのみきょうぞめ 都乃面影みやこのおもかげ』を刊行しています。

京都を中心に画家・図案家として頭角を現していきますが、一方で世界の潮流はアール・ヌーヴォー全盛の時代、雪佳もまた1901(明治34)年には英国・グラスゴー万国博覧会視察と欧州各国の工芸図案取調のため渡欧します。

しかし、そこであらためて日本の伝統的な装飾美の魅力を再認識し、その後はより一層、装飾芸術の先達として琳派研究に励みました。その成果は、『百々世草ももよぐさ』(1909-10年刊)など後の代表作となる図案集の出版、琳派を彷彿とさせる絵画、調度品の制作へと結実していきます。

また、本阿弥光悦や尾形光琳を理想とし、京都工芸界の活性化を使命とした雪佳は、実用を意識した図案集の出版や京都市立美術工芸学校での後進育成のほか、1907(明治40)年に図案研究団体「佳美会かびかい」(のちに「佳都美かつみ会」に改称、「京都美術工芸会」として再組織)の結成や、工芸家への図案提供など多岐にわたって活動しました。

雪佳作品の魅力は、明快な彩色や緩やかな描線を特徴とする、琳派の表現法をベースにしながら新しい意匠を加えたところや、美しい草花や愛らしい動物など琳派好みの主題をユーモラスな視点で描いたところにあります。

中でも《狗児》や《金魚玉図》はよく知られ、現在も多くの人びとに親しまれています。雪佳の創作活動に対しては琳派研究の中で再評価が進むとともに、図案集をはじめとする雪佳作品は、欧米を中心に海外の日本美術愛好家の間でも大変な人気を博しています。

展示構成

I あこがれの琳派

俵屋宗達 《双犬図》 紙本墨画 江戸前期 細見美術館蔵

俵屋宗達
《双犬図》 紙本墨画 江戸前期
細見美術館蔵

江戸初期、京において新たな芸術が誕生しました。本阿弥光悦(1558-1637)と、俵屋宗達(生没年不詳)は、やまと絵を基調としながら、斬新な構図や明快な色彩、滲みや暈しをいかした「たらし込み※」などの豊かな表現により、平安時代の雅な美を新たな作風で再生しました。

約100年後に現れた尾形光琳(1658-1716)は、意匠性の高い作風で注目され、調度類のデザインも数多く手がけました。身の回りを彩る工芸品を通じて、「光琳模様」と呼ばれる意匠が普及していきます。陶磁史の分野で大きな足跡を残した弟・尾形乾山(1663-1743)は、琳派の意匠を用いた食器制作を行いました。

さらに江戸中後期に活動した酒井抱一(1761-1828)は、光琳様式を取り入れながらも写生的な繊細さと江戸らしい洒脱さを併せ持った画風を確立しました。現在「江戸琳派」と称される抱一の様式は、後継者の鈴木其一(1796-1858)をはじめ多くの門弟に受け継がれ、明治から昭和にかけ、近代の日本画にも大きな影響を及ぼしました。そうした中で、神坂雪佳は琳派作品を愛好し、収集・研究しており、自らの作風の礎としていきました。

本章では、「琳派誕生、そして開花」(17-18世紀、京都)、「光琳を継ぐもの」(18-19世紀、京都・大坂)、「江戸琳派の美」(18-19世紀、江戸)という構成のもと、京都・細見コレクションや神坂雪佳の旧蔵品を通じて、創始から雪佳へと至る琳派300年の精髄を辿ります。

※たらし込み=墨などを塗った場所が乾く前に、濃度の異なる墨や絵の具をたらし、滲み具合の偶発的な色彩や形態の効果を狙った描法で、琳派の画家たちが好んで用いた。

II 美しい図案集―図案家・雪佳の著作

神坂雪佳 『百々世草』より「狗児」 紙本木版多色摺 1909-10(明治42-43)年刊 細見美術館蔵

神坂雪佳
『百々世草』より「狗児」 紙本木版多色摺 1909-10(明治42-43)年刊
細見美術館蔵

本章では、神坂雪佳が発表した主な図案集(デザインの素材集)を紹介します。

日本画を学ぶことから出発した神坂雪佳は、その後助言を受けて図案の道に進み、30代の頃には図案家として、京都の工芸界で重要な役割を担うようになりました。図案家・神坂雪佳を語る上で欠かせないのが、図案集の出版です。雪佳は自身の活動の前半期を中心に、精力的に図案集を手がけていきました。

『染織図案 海路』(1902年刊)や『蝶千種』(1904年刊)のような実用性の高い意匠集のほか、絵画の作品集のように美しい『ちく佐』(1900-05年刊)や『百々世草』(1909-10年刊)は鑑賞用としても楽しまれてきました。特に『百々世草』は、色彩豊かで明快な雪佳様式の到達点を示す代表作とされています。

※作品保全の都合上、図案集は定期的にページめくりを行います。全会期中、『ちく佐』、『滑稽図案』、『百々世草』につきましては全てのページをご覧いただけるスライドを上映いたします。

III 生活を彩る―雪佳デザインの広がり

神坂雪佳 図案 神坂祐吉 作  《帰農之図蒔絵巻煙草箱》 木製漆塗、蒔絵、螺鈿 大正末期 細見美術館蔵

神坂雪佳
図案 神坂祐吉 作  《帰農之図蒔絵巻煙草箱》 木製漆塗、蒔絵、螺鈿
大正末期 細見美術館蔵
【展示期間:12月1日(木)~18日(日)】

図案の創作にあたり、神坂雪佳が拠り所としたのが「琳派」でした。空間を彩る調度類に優れたデザインを手がけた「琳派」を手本に、雪佳は染織、漆器、陶磁器のほか、室内装飾や造園に至るまで、実に多種多様なデザインを創作しました。

本章では、雪佳が絵付をし実用化された調度品や漆芸、陶芸を中心とした共作をご覧いただきます。

IV 琳派を描く―雪佳の絵画作品

神坂雪佳 《杜若図屏風》 二曲一双 紙本金地著色 大正末~昭和初期 個人蔵

神坂雪佳
《杜若図屏風》 二曲一双 紙本金地著色
大正末~昭和初期 個人蔵

図案家として多くの要職につき、多彩な活躍をする一方で、雪佳は絵を求められることも多かったといいます。主に活動の後半期に集中して描かれている作品群は、屏風、掛軸から、社寺の襖絵や能舞台の鏡板などの障壁画まで、さまざまな形態の画面に展開していきました。

本展の最終章では、四季の草花、古典文学、動物などをテーマとした、ユニークな構図感覚とおおらかで品のある雪佳様式がみどころの、代表的絵画作品を紹介します。

唯一無二の芸術よりも、むしろ誰もが共有できる美しさを求めた雪佳は、絵画作品においても奇抜さよりもおおらかで親しみやすい画風を築きました。琳派に傾倒し、日常を彩る美を大切にした神坂雪佳の姿勢は、絵画においても貫かれていました。

「つながる琳派スピリット 神坂雪佳」開催概要

展覧会名 つながる琳派スピリット 神坂雪佳
会期 2022年10月29日(土)〜12月18日(日)
※会期中、一部展示替えをします
前期:10月29日(土)~11月29日(火)
後期:12月1日(木)~12月18日(日)
時間 10:00〜18:00まで(ご入館は17:30まで)
※12月2日(金)は夜間開館を実施いたします。
開館は20:00まで(ご入館は19:30まで)
休館日 水曜日(ただし11月23日(祝)は開館)
会場 パナソニック汐留美術館
住所 東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
アクセス
入場料 一般/1,000円
65歳以上/900円
大学生/700円
中・高校生/500円
小学生以下/無料

※価格は全て税込み。
※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます
美術館公式サイト パナソニック汐留美術館 公式サイト
SNS一覧
主催 パナソニック汐留美術館、東京新聞
後援 港区教育委員会
監修 細見美術館
企画協力 株式会社アートワン
お問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
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この記事を書いた人
Takenaka Kenji

著者名:Takenaka Kenji

デザイン事務所playpark代表、クリエイティブディレクター・Webディレクター・イラストレーター。 趣味は、美術館・展覧会・仏像巡り。 目標:全国の美術館を制覇する事。

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