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【展覧会】与謝野晶子が旅した名湯をパノラマ地図でたどり、温泉旅行気分を楽しむ企画展「与謝野晶子 × 吉田初三郎 与謝野晶子の温泉紀行」がさかい利晶の杜にて2023年1月15日まで開催中

NEW 【展覧会】与謝野晶子が旅した名湯をパノラマ地図でたどり、温泉旅行気分を楽しむ企画展「与謝野晶子 × 吉田初三郎 与謝野晶子の温泉紀行」がさかい利晶の杜にて2023年1月15日まで開催中

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アート新情報では、日本全国で開催されているおすすめの展覧会やアートイベントをピックアップして、みどころや開催期間・会場・巡回展などの情報をまとめました。

与謝野晶子と同時代に全国各地の景観を描いた吉田初三郎のパノラマ地図で、晶子を癒した温泉の旅をたどる企画展「与謝野晶子 × 吉田初三郎 与謝野晶子の温泉紀行」がさかい利晶の杜にて2022年11月12日(土)~ 2023年1月15日(日)まで開催が決定。本展のみどころや展示作品などをご紹介します。

※以下、画像と展覧会説明はプレスリリースから引用

企画展「与謝野晶子 × 吉田初三郎 与謝野晶子の温泉紀行」概要

与謝野晶子は、夫である寛とともに多くの旅をしました。その旅は、吟行(歌を詠むために名所に出かけること)や講演会に招待されて各地に赴く出張旅行などが主なものでしたが、病気のため体が不自由になった晩年には療養にも出かけました。

晶子の旅には、「温泉」への入湯を伴うことが多く、生涯に100以上の温泉地を訪ねています。原稿執筆のため温泉宿に長逗留した同時代の文豪たちとは異なり、深夜に及ぶ文筆活動の前のあわただしい入浴でしたが、晶子にとっては日常の家事などから解放されて疲れを癒す貴重な時間でした。温泉により心身ともにリフレッシュした晶子の感性は多くの秀歌を生み出しました。

本展では、晶子と同時代に全国各地の景観を描いた吉田初三郎(1884~1955)のパノラマ地図(堺市博物館蔵)で、晶子が訪れた温泉をたどります。大胆な構図と景観の特徴をデフォルメしたパノラマ地図は、当時の姿を雄弁に語ってくれます。

私たちの社会と生活は、新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行で打撃を受け、その影響は今も続いています。先人たちは、温泉でこころとからだの重荷を降ろし、新たな前進をしてきました。

晶子が訪れた温泉を知り、いつか訪れることで、私たちが同感染症大流行で背負ったストレスから解き放たれることを願い、感染対策を徹底しながら本展を開催します。

本展のみどころ

01.パノラマ地図と晶子の歌に誘われて名湯秘湯へ。
温泉旅行気分を味わう企画展

与謝野夫妻と同時期にパノラマ地図作家として活躍した吉田初三郎。本展は、昨年開催して好評を得た両者のコラボレーション展示の第二弾であり、熱海温泉、箱根温泉。軽井沢星野温泉など与謝野夫妻が訪れた名湯秘湯をパノラマ地図でたどります。パノラマ地図の壮大な景色と、温泉情緒あふれる晶子の歌から、温泉旅気分を味わっていただけます。

02.晶子が旅した温泉地を一挙紹介。
来館者の温泉エピソードを募る参加型展示も!

与謝野夫妻が旅した温泉地を日本地図上にマッピングすると、全国津々浦々の名湯秘湯を訪れていたことが一目瞭然。温泉が好きだった晶子は温泉入浴で日常の疲れを癒し、多くの秀歌を生み出していました。まさに温泉は、晶子の創作の“源泉”。温泉ファンなら大いに共感いただけます。また、来館者の皆様に、温泉にまつわるエピソードを書いてもらう参加型展示も用意しております。

03.会期中、晶子研究の第一人者の講演会、学芸員対談など関連イベントを実施

本展の会期中には、与謝野晶子倶楽部会長で天理大学名誉教授の太田登氏による記念講演会を行うほか、吉田初三郎がチェコ出身でフランスで活躍したグラフィックデザイナーのアルフォンス・ミュシャの孫弟子にあたることから、堺 アルフォンス・ミュシャ館の学芸員髙原茉莉奈氏を迎えて学芸員対談を行うなどのイベントを実施。与謝野晶子と吉田初三郎、二人の魅力を深掘りします。

主な展示資料

01.吉田初三郎 丹那トンネル開通の熱海温泉図(原画・部分・1934年) 堺市博物館蔵

丹那トンネル開通の熱海温泉図

吉田初三郎 丹那トンネル開通の熱海温泉図(原画・部分・1934年) 堺市博物館蔵

吉田初三郎が描いたパノラマ地図の原画です。昭和9(1934)年12月に東海道本線熱海駅・函南(かんなみ)駅間に、当時世界有数の難工事といわれた丹那(たんな)トンネルが開通しました。その記念に制作された作品です。鉄道、温泉、富士山という初三郎作品の魅力的な要素が盛り込まれており、富士山にいだかれた熱海の町並み景観が大胆に描かれています。熱海は東京から気軽に訪れることができる温泉地として人気を博しました。

与謝野晶子は、住まいの東京から便利な熱海地域の温泉地を愛し、熱海温泉を12回、伊豆山温泉を9回、網代温泉を3回訪れています。同じく東京近郊で27回訪問した箱根の温泉地に次ぐ2番目に多い訪問回数です。

寛と晶子は以下の歌を残しています。
美しき桜の時に来合せて熱海は京の山に勝れり(寛)
いみじけれ伊豆の熱海の山ざくら海にも落ちず中空に咲く(晶子)

02.法師温泉での与謝野晶子(写真)

群馬県法師温泉にて籠に乗る晶子(一番手前)

「群馬県法師温泉にて籠に乗る晶子(一番手前)」
昭和6年『冬柏』より転載

昭和6(1931)年9月4日に寛と晶子は、歌をよむために弟子たちと群馬県の法師温泉への旅にでました。一行は湯元長寿館(現存)に宿泊し、野趣溢れる温泉を楽しんでいます。

この写真は、6日朝に渓伝いに三国峠に登る際に長寿館の前で撮影したものです。一行のうち男性と1名の女性が徒歩で、それ以外の女性が用意してもらった駕籠で山を往きました。

板縁に駕籠を寄せたりかくのごと雲の迎への来たらましかば(晶子)
霧ふりて峠に見るは一行の誰ぞ霧より白き横顔(寛)

03.富士身延鉄道沿線名所鳥瞰図(原画・1928年)54×248cm 堺市博物館蔵

富士身延鉄道沿線名所鳥瞰図(原画・1928年)

吉田初三郎 富士身延鉄道沿線名所鳥瞰図(原画・1928年) 堺市博物館蔵

昭和3(1928)年に富士身延鉄道(現在のJR身延線)開通を記念して発表された「富士身延鉄道沿線名所鳥瞰図」は、大胆なデフォルメと鮮やかな色彩から吉田初三郎作品の傑作のひとつに数えられます。画面の右に富士山を、左に身延山を配置し、遠くハワイやサンフランシスコや台湾や朝鮮半島まで示す壮大な構図が印象的な作品です。

本図には、箱根山と芦ノ湖周辺の温泉群である箱根温泉、富士五湖のひとつ精進湖など晶子が訪れた温泉地や名所が複数描かれています。壮大な構図のなかに描かれた晶子ゆかりの温泉をご覧ください。

寛と晶子は以下の箱根温泉の歌を残しています。
箱根にて今日見る霧は山を消しやがて静かに雨の音する(寛)
いみ身ひたれば湯の落口が用意せる蛇皮線を取り歌ふ春の夜(晶子)

04.霊湯星野温泉図(原画・部分・1934年)77×182cm 堺市博物館蔵

霊湯星野温泉図(原画・部分・1934年)

吉田初三郎 霊湯星野温泉図(原画・部分・1934年) 堺市博物館蔵

「霊湯星野温泉図」と題された本図には沓掛駅からの道路や浴場、売店、テニスコートなど温泉地の様子が丁寧に描かれており、浅間山をバックに軽井沢の星野温泉の魅力が表現されています。

星野温泉は、古くは赤岩温泉と呼ばれた温泉でしたが、製糸業を営んでいた星野嘉助により温泉ボーリングが行われ、大正2(1913)年に温泉が開発されたことをきっかけに開発者にちなんで命名されました。翌年には開発された温泉を利用して、一軒宿の星野温泉ホテルが開業しています。

当時は与謝野夫妻が名付けた「明星館」を名乗っていました。東京に近い軽井沢に立地したことから夫妻をはじめ、北原白秋、島崎藤村、寺田寅彦、若山牧水など数多くの文人が逗留しました。夫妻と西村伊作たちが、大正9(1920)年に逗留した時には、ここで文化学院開設の相談をしました。

寛と晶子は以下の星野温泉の歌を残しています。
この国のまた新しき明日のこと気味ならずして言ふ人や誰(寛)
水色の空も来りてひたるなり浅間の山の明星の湯に(晶子)

企画展「与謝野晶子×吉田初三郎 与謝野晶子の温泉紀行」開催概要

展覧会名 企画展「与謝野晶子×吉田初三郎 与謝野晶子の温泉紀行」
会期 2022年11月12日(土)~ 2023年1月15日(日)
時間 9:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日 11月15日(火)、12月20日(火)※観光案内展示室、グッズショップ「さかい縁庵」は除く、年末年始(12月29日~1月3日)
会場 さかい利晶の杜 企画展示室
住所 大阪府堺市堺区宿院町西2丁1番1号
アクセス
入場料 大人/300円(240円)
高校生/200円(160円)
中学生以下無料

※価格は全て税込み。
※常設展示室(与謝野晶子記念館、千利休茶の湯館)と共通料金
※( )内は10名以上の割引料金
※堺市内在住の65歳以上の方は無料(要証明)
※障害のある方とその介助者は無料(要証明書)
美術館公式サイト さかい利晶の杜 公式サイト
SNS一覧
主催 堺市
企画協力 与謝野晶子倶楽部、公益財団法人堺市文化振興財団、日本温泉文化研究会
問い合わせ TEL:072-260-4386(さかい利晶の杜)
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この記事を書いた人
Takenaka Kenji

著者名:Takenaka Kenji

デザイン事務所playpark代表、クリエイティブディレクター・Webディレクター・イラストレーター。 趣味は、美術館・展覧会・仏像巡り。 目標:全国の美術館を制覇する事。

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