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【展覧会】東京会場とはまったく違う作品の配置で新たな作品を加えた構成の「ゲルハルト・リヒター」が豊田市美術館にて2023年1月29日まで開催中

《ビルケナウ》2014年[CR 937 1-4] 油彩、キャンバス
ゲルハルト・リヒター財団
ドレスデン・アルベルティヌム美術館での展示風景(2015年)
Photo David Brandt, courtesy Gerhard Richter Archive, Dresden ©️Gerhard Richter 2022 (07062022)

NEW 【展覧会】東京会場とはまったく違う作品の配置で新たな作品を加えた構成の「ゲルハルト・リヒター」が豊田市美術館にて2023年1月29日まで開催中

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アート新情報では、日本全国で開催されているおすすめの展覧会やアートイベントをピックアップして、みどころや開催期間・会場・巡回展などの情報をまとめました。

大盛況だった東京会場とはまったく違う作品の配置で、豊田会場でのみ展示される作品を加えた構成の「ゲルハルト・リヒター展」が豊田市美術館にて2022年10月15日(土)〜2023年1月29日(日)まで開催中。本展のみどころや展示作品などをご紹介します。

※以下、画像と展覧会説明はプレスリリースから引用

「ゲルハルト・リヒター展」概要

《ムード(2022年1月7日(1))》2022年

《ムード(2022年1月7日(1))》2022年 写真 作家蔵
©Gerhard Richter.2022(07062022)

今日もっとも注目を集める画家ゲルハルト・リヒター。1960年代の〈フォト・ペインティング〉から初公開となるドローイングなどあわせて約140点による、日本では16年ぶりとなる待望の回顧展です。

リヒターが90歳を迎える年に開催される本展は、身近な写真を拡大して描く〈フォトペインティング〉、ガラスや鏡を用いた作品、巨大なカラーチャート、そして抽象絵画など、彼が大切に手元に残してきた作品を中心に、60年にわたる画業を紹介します。

なかでも、自国ドイツの第二次世界大戦時の暗部であるアウシュヴィッツの強制収容所でひそかに撮影された写真を出発点にした〈ビルケナウ〉は、2014年にようやく取り組むことができたと画家が語る集大成的な作品です。

本展は東京国立近代美術館(2022年6月〜10月開催)との共同企画ですが、豊田市美術館では、東京会場とはまったく違う作品の配置に、豊田会場でのみ展示される作品を加えた構成で、「20世紀後半の最も重要な画家のひとり、そして21世紀の最前線の探究者」リヒターの作品を紹介します。

本展のみどころ

現代アートの巨匠、待望の大規模個展

1999年のドイツ連邦議会議事堂の巨大なインスタレーションや、2007年のケルン大聖堂のステンドグラス制作など国家的なプロジェクトにも携わるなど、ドイツを代表する作家であるリヒターは「20世紀後半の最も重要な画家のひとり、そして21世紀の最前線の探究者」(ニューヨーク近代美術館キュレーターのロバート・ストア)として今日もっとも評価されている芸術家です。

2012年のオークションで存命作家の最高落札額(当時/ 2132万ポンド=約27億円)を更新し、近年でも2020年にメトロポリタン美術館で大規模回顧展が開催されるなど、リヒターは世界のアートシーンで常に注目を集めてきました。

リヒターの日本の美術館での個展は、2005-2006年にかけて金沢21世紀美術館とDIC川村記念美術館で開催されて以来、実に16年ぶりの開催になります。

最新作を含むリヒター所蔵の作品で、60年におよぶ作家の画業をたどる

彼が手放さず大切に手元に置いてきたゲルハルト・リヒター財団のコレクションおよび作家本人の所蔵作品により、60年代の初期作品から最新作まで、貴重な作品約140点が、初めて一堂に会します。これらの多様な作品を通じて、2022年に90歳を迎えた画家の、60年におよぶ画業をたどります。

豊田会場のみの特別出品として2022年の最新作を加えて構成

2017年に絵画制作からの「引退」を公表していたリヒターですが、2022年5月のバイエラー美術館(スイス)での個展において鮮やかな色彩の水彩作品を発表し、「リヒターはまだ描いていた!」と話題になりました。

本展ではこの水彩作品の写真エディションを「特別出品」として加え、東京会場にて公開された2021年のドローイング作品とともにリヒターの最新の作品展開を紹介します。

近年の最重要作《ビルケナウ》、日本初公開

《ビルケナウ》2014年 油彩、キャンバス

幅2メートル、高さ2.6メートルの作品4点で構成される巨大な抽象画《ビルケナウ》は、第二次世界大戦でのホロコーストを主題としています。近年の最重要作品が、この度、日本で初めて公開されます。

 本作は、見た目は抽象絵画ですが、絵具の下層には、アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所で囚人が隠し撮りした写真を描き写したイメージが隠れています。

リヒターは1960 年代以降、ホロコーストという主題に何度か取り組もうと試みたものの、この深刻な問題に対して適切な表現方法を見つけられず、断念してきました。2014年にこの作品を完成させ、自らの芸術的課題から「自分が自由になった」と感じたと作家本人が語っているように、リヒターにとっての到達点であり、また転換点にもなった作品です。

本展では、この絵画と全く同寸の4点の複製写真と、大きな横長の鏡の《グレイの鏡》とともに展示され、圧倒的な鑑賞体験をもたらす空間をつくりだします。日本では初公開となるこの機会に、ぜひご覧ください。

フォト・ペインティング

1960年代初頭に東ドイツから西ドイツへ移ったリヒターはデュッセルドルフ芸術アカデミーで学びます。そこで彼が制作の手掛かりにしたのが、新聞や雑誌に載っていた写真でした。

芸術家としての表現を切り詰め、身近な写真に従うように描き、最後に刷毛で画面にブレやボケのような効果を加えています。絵画と写真のあいだで、イメージの在り方を問うリヒターの代表的なシリーズです。やがてリヒターは自身の家族写真などをモチーフにこのシリーズを展開していくことになります。

《モーターボート(第1ヴァージョン)

《モーターボート(第1ヴァージョン)》 1965年 [CR 79a]
油彩、キャンバス  169.5×169.5cm
ゲルハルト・リヒター財団蔵
©Gerhard Richter.2022(07062022)

《モーリッツ》2000/2001/2019年[CR 863-3]

《モーリッツ》 2000/2001/2019年 [CR 863-3]
油彩、キャンバス 62x52cm 作家蔵
©Gerhard Richter.2022(07062022)

アブストラクト・ペインティング

 《アブストラクト・ペインティング》はこのシリーズのひとつの到達点として、作家がずっと手放さずにいた作品です。1970年代後半から始まる彼のこうした抽象的な作品では、1980年代からスキージ(自作の長く大きなヘラのようなもの)で画面に絵具をこすりつけながら、同時にそぎ落とす独自の制作プロセスが導入されます。

この作品ではアルミニウムの支持体がところどころ露出し、絵画であるにもかかわらずどこか鏡やガラスのような輝きを宿しています。

 《アブストラクト・ペインティング》を最後に、リヒターは「もうこれ以上描かない」と宣言しました。事実、過去作の小品への加筆や、ドローイングや水彩を除けば、この作品がリヒターの最後の「絵画」作品として登録されています。

こうした近作の作例にはスキージの他にキッチンナイフも随所に用いられており、緑と紫を基調とした画面に画家の手の動きが認められます。《ビルケナウ》を経て画家が到達した幽玄ともいえる境地を示す重要作です。

《アブストラクト・ペインティング》 1992年[CR 778-4]

《アブストラクト・ペインティング》 1992年 [CR 778-4]
油彩、アルミニウム 100x100cm 作家蔵
©Gerhard Richter.2022(07062022)

《アブストラクト・ペインティング》 2017年[CR 952-4]

《アブストラクト・ペインティング》 2017年 [CR 952-4]
油彩、キャンバス 200x250cm 作家蔵
©Gerhard Richter.2022(07062022)

オイル・オン・フォト

小さな写真の上に絵具を塗り付けています。写真に写るイメージは風景、家族、知人とさまざまですが、いずれにおいても絵具は抽象的なかたちとして画面に入り込んで、写真のイメージと絵具とが拮抗しています。

リヒターはこうした作品の多くを、〈アブストラクト・ペインティング〉を制作する合間に手掛けていると言います。〈オイル・オン・フォト〉のシリーズは、小品ながら、写真と絵画のあいだに、現実と抽象のあいだに、イメージの在り方を探るリヒターの核心を示しています。

《1998年2月14日》1998年 油彩、写真

《1998年2月14日》 1998年 油彩、写真 10×14.8cm
ゲルハルト・リヒター財団蔵
©Gerhard Richter.2022(07062022)

ガラスや鏡を用いた作品

リヒターは1960年代以降、絵画作品の制作と並行してガラスや鏡を用いた作品を手掛けてきました。設置された場所に応じて、あるいは鑑賞者の立ち位置によって、その都度あらゆるイメージを映しこみ反射するガラスや鏡は、イメージの現れ方をさまざまに検証し続けているリヒターにとって、ひとつの原型的なモデルです。

《8枚のガラス》は角度を変えて並べられた大きなガラスが視界を覆いつつ、世界を複数の断片的なイメージへと転じます。本展ではこのほかにもさまざまなガラスや鏡を用いた作品が絵画作品とともに並び、私たちを「見ること」そのものについての問いへと誘います。

《8枚のガラス》2012年[CR 928] 

《8枚のガラス》 2012年 [CR 928]  8枚のアンテリオ・ガラス、スチール 230x160x350cm
ワコウ・ワークス・オブ・アート蔵
©Gerhard Richter.2022(07062022)

ゲルハルト・リヒター プロフィール

ゲルハルト・リヒター

ゲルハルト・リヒター(2018年) photo kw ©️Gerhard Richter 2022 (07062022)

ゲルハルト・リヒター(1932年~)
ドイツ東部のドレスデンに生まれる。ベルリンの壁が作られる直前の1961 年に西ドイツへ移住、デュッセルドルフ芸術アカミーへ入学。コンラート・フィッシャーやブリンキー・パレルモらと交流。

「資本主義リアリズム」と呼ばれる運動の中で独自の表現を発表し、注目を集める。その後、イメージの成立条件を問い直す多岐にわたる作品制作を通じて、ドイツ国内のみならず、世界で評価されるようになった。

これまで、ポンピドゥー・センター(パリ、1977 年)、テート・ギャラリー(ロンドン、1991 年)、ニューヨーク近代美術館(2002年)、テート・モダン(ロンドン、2011 年)など世界の名だたる美術館で個展を開催。現代で最も重要な画家としてその地位を不動のものとしている。

「ゲルハルト・リヒター展」開催概要

展覧会名 ゲルハルト・リヒター展
会期 2022年10月15日(土)〜2023年1月29日(日)
時間 10:00~17:30(入場は17:00まで)
休館日 月曜日(2023年1月9日は開館)、年末年始(2022年12月28日〜2023年1月4日は休館)
会場 豊田市美術館
住所 愛知県豊田市小坂本町8丁目5−1
アクセス
入場料 【当日券(オンライン料金)】
一般/1,500円
高校・大学生/900円

【当日券(窓口料金)】
一般/1,600円
高校・大学生/1,000円

※本展は、日時等の事前予約は不要です。
※ オンラインチケットは100円割引、20名以上の団体は200円割引(他割引との併用不可)
※ 中学生以下無料
※ 豊田市内在住又は在学の高校生、豊田市内在住の75歳以上、障がい者手帳をお持ちの方(介添者1名)は無料(要証明)
※ その他、観覧料の減免対象者及び割引等については豊田市美術館ウェブサイトをご確認ください。
チケット購入先 ゲルハルト・リヒター展 オンラインチケットサイト
公式サイト ゲルハルト・リヒター展 公式サイト
美術館公式サイト 豊田市美術館 公式サイト
SNS一覧
主催 豊田市美術館、朝日新聞社
後援 大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事館、ゲーテ・インスティトゥート大阪・京都、在日ドイツ商工会議所
特別協力 ゲルハルト・リヒター財団、ワコウ・ワークス・オブ・アート
協力 小川香料ホールディングス、ルフトハンザ カーゴ AG、岡建工事
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この記事を書いた人
Takenaka Kenji

著者名:Takenaka Kenji

デザイン事務所playpark代表、クリエイティブディレクター・Webディレクター・イラストレーター。 趣味は、美術館・展覧会・仏像巡り。 目標:全国の美術館を制覇する事。

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